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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻5号

2009年04月発行

文献概要

今月の主題 癌や炎症と鑑別が困難な消化管悪性リンパ腫 主題

胃悪性リンパ腫の内視鏡的特徴―癌やそのほかの胃病変との鑑別を中心に

著者: 炭田知宜1 北台靖彦1 大原英司1 品川慶1 田中美和子1 児玉美千世1 岡志郎2 吉田成人2 田中信治2 吉原正治3 茶山一彰1

所属機関: 1広島大学大学院分子病態制御内科学 2広島大学病院内視鏡診療科 3広島大学保健管理センター

ページ範囲:P.831 - P.842

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要旨 胃悪性リンパ腫の肉眼分類には,従来から佐野分類と「胃と腸」胃悪性リンパ腫編集小委員会の分類がよく用いられている.前者では表層型,潰瘍型,隆起型,決潰型,巨大皺襞型の5型に,後者では表層拡大型,腫瘤形成型,巨大皺襞型の3型に分類されている.しかし,胃悪性リンパ腫は多彩な内視鏡所見を呈することが特徴であり,その分類に当てはまらないものもある.本稿では,各肉眼型の代表的症例を提示したうえで,その内視鏡所見の特徴を記載するとともに,他疾患との鑑別ポイントを概説した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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