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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻5号

2009年04月発行

文献概要

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編集後記

著者: 八尾隆史

所属機関:

ページ範囲:P.924 - P.924

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 消化管悪性リンパ腫は,① 病変が多発することが多い,② 消化管壁伸展性が良好である,③ 粘膜下腫瘍としての所見を有する,などの特徴をもつことは,「胃と腸」の読者であれば常識であろう.しかしながら,実際の症例を一例一例見てみると,必ずしも癌や炎症性疾患との鑑別は容易でない.そこで本特集号では,改めて鑑別診断に有用なリンパ腫の画像的特徴を明らかにすることを第一の目的とした.

 胃においては,MALTリンパ腫と癌との鑑別として重要な所見が指摘され,びまん性大細胞性B細胞リンパ腫では,リンパ腫の特徴的所見は癌でもしばしばみられることが指摘された.そして,リンパ腫の画像的鑑別においては,潰瘍の形態,粘膜下腫瘍様隆起表面やひだの性状の詳細な観察が重要で,それにはX線検査が特に有用であることも述べられている.腸においては,カプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡の普及により,新たな知見が得られるようになったことは大きな進歩である.ただし,炎症性腸病変とリンパ腫の鑑別にはX線検査が有用であることが,提示された美しい画像が語っているように思われた.食道のリンパ腫は頻度が低いので症例提示のみとなったが,特徴的な画像が印象的であった.病理学的稿では,リンパ腫に関する病理学的知識を臨床的視点からも言及してあり,病理医のみならず臨床医にとっても有益な内容である.また,反応性リンパ濾胞とリンパ腫の鑑別におけるNBIやAFIの有用性も示され,新しい手法の今後の発展も期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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