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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻6号

2009年05月発行

文献概要

今月の主題 小腸疾患─小病変の診断と治療の進歩 主題

小さな小腸炎症性病変―Crohn病の小病変の診断:術後再発病変診断の意義

著者: 仲瀬裕志1 上野悟2 宇座徳光2 千葉勉2 坂井義浩3

所属機関: 1京都大学医学部附属病院内視鏡部 2京都大学消化器内科学 3京都大学消化管外科学

ページ範囲:P.967 - P.974

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要旨 Crohn病は全消化管に病変を形成する原因不明の慢性炎症性腸疾患であり,わが国において疾患患者数は年々増加の一途をたどっている.近年,カプセル内視鏡,ダブルバルーン内視鏡をはじめとする小腸内視鏡検査機器の開発により,Crohn病の小腸病変に対する詳細な検討が可能となってきた.特に,Crohn病初期病変の診断のみならず,術後再発病変の粘膜治癒の状態を内視鏡で評価することも可能となっている.従来の栄養療法に加えて,免疫調節剤および生物学的製剤の使用は患者のQOL向上に貢献してきた.このような強力な薬物療法があるにもかかわらず観察される小腸病変を,臨床的にどのように捉えていくかが今後の課題である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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