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雑誌文献

胃と腸44巻6号

2009年05月発行

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Topics

大腸癌研究会「微小大腸病変の取り扱い」プロジェクト研究班結果報告―5mm以下の大腸微小病変の内視鏡治療指針

著者: 斉藤裕輔1 岩下明徳2 工藤進英3 小林広幸4 清水誠治5 多田正大6 田中信治7 鶴田修8 津田純郎9 平田一郎10 藤谷幹浩11 杉原健一12 武藤徹一郎13

所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター 2福岡大学筑紫病院病理部 3昭和大学横浜北部病院消化器センター 4松山赤十字病院胃腸センター 5大阪鉄道病院消化器内科 6多田消化器クリニック 7広島大学内視鏡診療科 8久留米大学医学部消化器病センター内視鏡診療部門 9福岡大学筑紫病院消化器科 10藤田保健衛生大学消化管内科 11旭川医科大学消化器血液腫瘍内科 12東京医科歯科大学大腸肛門外科 13癌研有明病院

ページ範囲:P.1047 - P.1051

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大腸癌研究会「微小大腸病変の取り扱い」プロジェクト研究班設立の背景

 近年の内視鏡診断機器性能の向上,色素撒布法の普及1),NBI(narrow band imaging)の登場2)3)などにより,表面型を含む5mm以下の大腸微小病変の発見頻度は増加している1)4).そのためこれら日常比較的高頻度に発見される病変の臨床的取り扱いが問題となっている.すなわち,人的,時間的制約の中で,微小病変を発見した際に,経過観察する,生検を行う,内視鏡的に切除する根拠となる基準は大腸癌取扱い規約5)にも明言されておらず,検査医師,施設により異なっているのが現状である.

 6mm以上の大腸癌病変の性状診断,癌の深達度診断と同様に大腸微小病変の診断においても拡大内視鏡などが有用であることは疑いの余地はない6)7).しかし,一般臨床家においては時間的な制約や技術的な問題もあるため,発見頻度が高い大腸微小病変の診断において,実際にすべての病変に対して拡大内視鏡検査を行っている施設は,全体からみるといまだ多くないのが現状である.色素撒布を併用した通常内視鏡観察のみの日常検査8)において発見される大腸微小病変の取り扱い指針を作成することは,臨床診療上重要なことである.

参考文献

1)Saitoh Y, Waxman I, West AB, et al. Prevalence and distinctive biologic features of flat colorectal adenomas in a North American population. Gastroenterology 120 : 1657-1665, 2001
2)Sano Y, Muto M, Tajiri H, et al. Optical/digital chromoendoscopy during colonoscopy using narrow-band imaging system. Dig Endosc 17 : S43- 48, 2005
3)Hirata M, Tanaka S, Oka S, et al. Evaluation of microvessels in colorectal tumors by narrow band imaging magnification. Gastrointest Endosc 66 : 945- 952, 2007
4)Kudo S. Endoscopic mucosal resection of flat and depressed types of early colorectal cancer. Endoscopy 25 : 455-461, 1993
5)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版.金原出版,2006
6)岡志郎,田中信治,金子巌,他.大腸sm癌における浸潤度の臨床診断─拡大内視鏡を中心に.胃と腸 39 : 1363-1373, 2004
7)唐原健,鶴田修,河野弘志,他.大腸sm癌における浸潤度の臨床診断精度─各種検査法の組み合わせによる診断.胃と腸 39 : 1387-1398, 2004
8)斉藤裕輔,渡二郎,藤谷幹浩,他.大腸sm癌における浸潤度の臨床診断精度─sm浸潤距離1,000μmに対する通常内視鏡の診断能.胃と腸 39 : 1350- 1356,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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