胃と腸44巻7号

2009年06月発行

今月の症例

腫瘍径6.5mmの進行大腸癌の1例

著者： 佐藤龍¹ 渡二郎¹ 前田重明¹ 嘉島伸¹ 斉藤裕輔² 下田忠和³

所属機関： ¹釧路市医師会病院消化器内科 ²市立旭川病院消化器病センター ³国立がんセンター中央病院臨床検査部病理

ページ範囲：P.1058 - P.1061

　〔患　者〕　70歳代，男性．2008年2月初旬より2～3行/日の下痢が出現した．次第に血便が混在したため当科を受診し，精査加療目的に入院となった．

　〔注腸X線所見〕　S状結腸に径6mm大の類円形の隆起性病変を認めた（Fig. 1a）．立ち上がりは明瞭で，隆起の中心に浅い陥凹を認めたが，陥凹内に凹凸不整は認めなかった（Fig. 1b）．側面像は弧状変形を呈していた（Fig. 1c）．

参考文献

1）Shimoda T, Ikegami M, Fujisaki J, et al. Early colorectal carcinoma with special reference to its development de novo. Cancer 64 : 1138-1146, 1989

2）工藤進英，牛山信，三浦宏二，他．平坦・陥凹型大腸早期癌─sm浸潤形式，発育進展を中心に．消外 14 : 277-295, 1991

3）安藤秀彦，沢田俊夫，斎藤幸夫，他．径10mmの早期癌類似進行癌（肛門管癌）の1例．胃と腸 28 : 1224-1226, 1993

4）小川博，嵩真佐子，綿引元，他．10mm以下の大腸進行癌─術前に診断しえた10×8mmの大腸pm癌の1例．胃と腸 28 : 1227-1231, 1993

5）高橋慶一，猪狩亨，森武生，他．10mm以下の進行大腸癌─長径9mmの直腸pm癌の1例．胃と腸 28 : 1237-1242, 1993

6）土橋展子，高野正博，藤好建史，他．径9mmの大腸ss癌の1例．日本大腸肛門病会誌 48 : 150-155, 1995