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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻8号

2009年07月発行

今月の主題 大腸SM癌内視鏡治療の根治基準をめぐって─病理診断の問題点と予後

症例検討

大腸SM癌浸潤距離計測の実際

著者: 大倉康男1 味岡洋一2 藤盛孝博3

所属機関: 1杏林大学医学部病理学 2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野 3獨協医科大学病理学(人体分子)

ページ範囲:P.1263 - P.1278

文献概要

はじめに

 「大腸癌治療ガイドライン」1)の内視鏡的摘除SM癌治療方針の中で,浸潤度が1,000μm以上の場合には外科的切除を考慮するように指針が出されたことから,その後に改訂された「大腸癌取扱い規約」2)ではSM癌の場合は浸潤距離を病理報告書に記載することが加えられた.浸潤距離の測定方法(Table 1,Fig. 1)は「大腸癌取扱い規約」3)に記載されているが,いまだに十分に周知されたとは言い難いところがある.また,切除症例の組織像は多様であり,言葉による説明と簡単な図だけでは計測で悩む症例があることも事実である.そのようなことから,症例を用いてSM癌の浸潤距離の計測方法を具体的に説明することとした.

参考文献

1)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン,医師用 2005年版.金原出版,2005
2)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版.金原出版,2006
3)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版補訂版.金原出版,2009
4)喜多嶋和晃,藤盛孝博,藤井茂彦,他.大腸sm癌の取扱い─sm浸潤度の判定はどうあるべきか? 武藤徹一郎(監),渡辺英伸,杉原健一,多田正大(編).大腸疾患NOW 2004.日本メディカルセンター,pp 49-59, 2004
5)喜多嶋和晃,藤盛孝博,藤井茂彦,他.病理組織学的因子からみた大腸sm癌のリンパ節転移危険因子─大腸癌研究会sm癌取り扱いプロジェクト研究委員会の解析から.胃と腸 39 : 1329-1337, 2004
6)市川一仁,藤盛孝博.大腸癌取扱い規約(第7版)の問題点─有茎性ポリープでpSMの場合の浸潤距離の測定方法は? 武藤徹一郎(監),杉原健一,藤盛孝博,五十嵐正広,他(編).大腸疾患NOW 2008.日本メディカルセンター,pp 63-70, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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