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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻9号

2009年08月発行

今月の主題 背景粘膜からみた胃癌ハイリスクグループ

主題

経過観察例からみた胃癌ハイリスクグループ―職域内視鏡検診の立場から

著者: 後藤信雄1 細貝浩章1 松浦貴彦1 工藤康孝2 津国秀彰2

所属機関: 1NTT東日本伊豆病院健診センター 2NTT東日本伊豆病院内科

ページ範囲:P.1375 - P.1380

文献概要

要旨 当院で1998~2007年度の10年間に実施された社員ドック(検診)の際の上部消化管内視鏡検査件数は97,007件であった.胃癌は138例発見され,そのうちで経過観察中に発見された症例は65例であった.背景粘膜には癌発見以前より全例に慢性萎縮性胃炎があり,しかも萎縮の程度は癌発見前,癌発見時ともにほとんどがC-3(木村・竹本分類)以上であった.したがって,内視鏡検査医としては確実に萎縮所見,なかでもその拡がりの程度を読み取ることが大切であり,その時点で悪性所見を見い出せなくとも,胃癌ハイリスクグループとして経過観察(再検査)が必要であることを銘記すべきである.

参考文献

1)Fukao A, Hisamichi S, Ohsato N, et al. Correlation between the prevalence of gastritis and gastric cancer in Japan. Cancer Causes Control 4 : 17-20, 1993
2)後藤信雄,池上文詔,桜井幸弘.職域胃内視鏡検診の検討.日消集検誌 43 : 197-205,2005
3)Kimura K, Takemoto T. An endoscopic recognition of the atrophic border and its significance in chronic gastritis. Endoscopy 3 : 87-97, 1969
4)後藤信雄.静注鎮静剤使用歴のある受検者を対象とした検診経鼻内視鏡検査の検討─鎮静剤からの離脱は可能か? 日消がん検診誌 46 : 51, 2008
5)八木一芳,中村厚夫,関根厚雄,他.Helicobacter pylori陰性・正常胃粘膜内視鏡像の検討.Gastroenterol Endosc 42 : 1977-1987, 2000
6)熊倉泰久,増田勝紀,加藤明,他.人間ドック内視鏡検診における胃粘膜萎縮と胃癌の高危険群.日消がん検診誌 46 : 713-722, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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