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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻1号

2010年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌のIIb進展範囲診断 序説

早期胃癌のIIb進展範囲診断の問題点

著者: 浜田勉1

所属機関: 1東京都東部地域病院内科

ページ範囲:P.10 - P.13

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時代的要請

 早期胃癌の拡がりは従来の外科的手術において切除範囲を決めるうえで重要であったが,胃では食道におけるヨード染色のような容易でかつ明瞭に癌進展を観察できる方法がなかったため,多くの先達がその診断に苦慮してきた.さらに近年,早期胃癌に対するESD(endoscopic submucosal dissection)による内視鏡治療の開発・普及に伴い,広範囲の粘膜切除が可能となり,その実施に当たっては深達度診断のみならず病巣全周の正確な境界診断が必要となってきた.特に,通常内視鏡観察では困難とされてきた癌に随伴するIIb病変の進展範囲診断の重要性が指摘され,この点を指向した拡大内視鏡やNBI(narrow band imaging)など種々の診断技術の進歩が認められている.現時点で,これら最新の診断技術がIIb進展範囲診断をいかに可能にしているか,その到達点と残された課題を検討するのは時代的要請と言える.

参考文献

1)西上隆之,小嶋高根,堀公行,他.病理からみた胃癌の粘膜内浸潤範囲診断.胃と腸 36 ; 1257-1264, 2001
2)菅野聡,大井田正人,山縣さゆり,他.電子内視鏡による陥凹・平坦型早期胃癌の浸潤範囲診断の検討.Gastroenterol Endosc 39 : 650-658, 1997
3)中村賢二郎,森正樹,黒岩重和,他.純粋IIb型早期胃癌の臨床病理学的観察.胃と腸 21 : 363-370, 1986
4)草野央,下田忠和,谷口浩和,他.早期胃癌の時代的変遷.胃と腸 44 : 465-471, 2009
5)八尾建史,中村守,長浜孝,他.胃─拡大内視鏡による癌の進展範囲診断.胃と腸 42 : 735-745, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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