胃と腸45巻1号

2010年01月発行

画像診断レクチャー

消化管切除標本の取り扱いとマクロ写真撮影について―基本的な作法を中心に

著者： 二村聡¹

所属機関： ¹福岡大学医学部病理学講座

ページ範囲：P.151 - P.162

はじめに

　消化管切除標本の取り扱いには，臓器展開，マクロ観察，伸展固定，マクロ写真撮影そして切り出しなどの各工程が含まれる．これら一連の工程の基本形を理解し，体得することは，外科病理診断に携わる者にとって必須の要件である．

　本稿では臓器展開，伸展固定およびマクロ写真撮影を中心に，病理医の立場から消化管切除標本を取り扱ううえで欠くべからざる基本的な作法をいくつか紹介し，任を果たしたい．

参考文献

1）二村聡，二村浩史．消化器癌外科切除材料の取り扱いと肉眼診断─胃 : 胃癌外科切除材料の取り扱い（1）．臨消内科 23 : 413-417, 2008

2）二村聡，二村浩史．消化器癌外科切除材料の取り扱いと肉眼診断─胃 : 胃癌外科切除材料の取り扱い（2）．臨消内科 23 : 541-546, 2008

3）二村聡．病理写真の作法─よりよいプレゼンテーションのために : 病変を写真で説明するということ─肉眼写真編．病理と臨 23 : 1115-1120, 2005

4）二村聡．病理写真の作法─実践編 : 肉眼写真撮影─ルールその2．病理と臨 24 : 985-992, 2006

5）二村聡．総論─肉眼写真撮影法．病理と臨 26（臨増）: 29-34, 2008

6）二村聡．病理写真の作法─実践編 : 肉眼写真撮影─ルールその4．病理と臨 24 : 1327-1331, 2006

7）二村聡．病理写真の作法─実践編 : 肉眼写真撮影─ルールその5とまとめ．病理と臨 25 : 93-97, 2007

8）二村聡．病理写真の作法─実践編 : 肉眼写真撮影─ルールその3．病理と臨 24 : 1109-1116, 2006

9）二村聡．病理写真の作法─よりよいプレゼンテーションのために : 病理写真撮影の作法再考─連載を終えるにあたって．病理と臨 25 : 709-712, 2007

10）佐野量造．病理標本の作り方（1）．胃と腸 2 : 969-974, 1967

11）安藤義路，上久廣昭，高城泰彦，他．病理標本の写真撮影時における取り扱いについて．日本医学写真学会誌 14 : 24-40, 1977

12）吉田亮，渡辺英伸．消化器疾患の切除標本─取り扱い方から組織診断まで（4）: 消化管疾患の肉眼写真撮影の実際（1）．胃と腸 22 : 479-482, 1987

13）吉田亮，渡辺英伸．消化器疾患の切除標本─取り扱い方から組織診断まで（5）: 消化管疾患の肉眼写真撮影の実際（2）．胃と腸 22 : 611-614, 1987

14）岩渕三哉，渡辺英伸．消化器癌切除材料取扱いの基本．臨外 48 : 15-21, 1993

15）上久廣昭．マクロ写真撮影技術入門─臓器撮影を中心に．Med Technol 23 : 117-127, 1995

16）池上雅博，高木道子，井上好央．病理検査手技の基本─消化管病変の肉眼写真の撮り方．胃と腸 33 : 798-803, 1998

17）大倉康男．病理検査手技の基本─外科的切除材料及びEMRの固定方法と切り出し方法．胃と腸 33 : 913-922, 1998

18）谷口浩和，田村茂，下田忠和．消化管造影・内視鏡観察のコツ : 切除標本の写真撮影のコツ．十分に所見が捉えられた美しい画像を呈示するために─切除標本の写真撮影．胃と腸 43 : 1833-1836, 2008