文献詳細
学会印象記
JDDW 2009(第17回日本消化器関連学会週間)―大腸に関するテーマを中心に
著者: 永田信二1
所属機関: 1広島市立安佐市民病院内視鏡科
ページ範囲:P.166 - P.167
文献概要
第2日目の午前中は当科からの演題も採用されており,ワークショップ12「大腸鋸歯状病変の取り扱いについて」に参加した.鋸歯状病変の臨床病理学的特徴のみならず,鋸歯状病変の意義も含めて検討が行われた.鋸歯状病変の病理組織分類や診断基準はいまだ統一されておらず,特にHP(hyperplastic polyp)とSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)の診断は病理医により大きく異なるのが現状である.今後,鋸歯状病変各々の臨床病理学的意義を検討し,内視鏡診断を行ったうえで,まず病理組織分類,診断基準を早急に統一する必要があると考えられた.また,鋸歯状病変自体の癌併存率は通常の腺腫と比較し低いとの報告が多かったが,鋸歯状病変を有する場合,大腸癌発生のリスクが高いと報告した施設もあり非常に興味深かった.
掲載誌情報