icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻11号

2010年10月発行

文献概要

今月の主題 大腸低分化腺癌の初期像とその進展 主題症例

早期大腸低分化腺癌の3例

著者: 吉川健二郎1 山野泰穂1 木村友昭1 高木亮1 佐藤健太郎1 原田拓1 石郷岡晋也1 阿部太郎1 徳竹康二郎1 鈴木亮1 奥宮雅代1 中岡宙子1

所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター

ページ範囲:P.1791 - P.1798

文献購入ページに移動
要旨 早期大腸低分化腺癌は希少とされている.筆者らは11年間で3病変を経験し,その臨床病理学的特徴について報告する.3病変ともに多発大腸癌症例であった.肉眼形態は,2病変で表面型腫瘍を呈し腺腫,高分化管状腺癌を伴っていたが,1病変では,発赤,びらんとして観察され,低分化腺癌のみから成っていた.深達度はいずれもSM深部浸潤癌であった.拡大観察では、3病変とも低分化腺癌部分で,pit構造は指摘し難かった.これらの病変を通して,低分化腺癌の発生に関して2つの経路の存在が示唆され,これを踏まえて内視鏡などの検索を行うことが,適切に発見・診断する一助になると考えられた.

参考文献

 1)熊谷二朗,小池盛雄,伊藤崇,他.大腸腫瘍の病理─大腸癌の病理.消外 28 : 528-534, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?