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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻2号

2010年02月発行

今月の主題 中・下咽頭表在癌の診断と治療

主題

中・下咽頭表在癌の内視鏡診断―経鼻内視鏡の立場から

著者: 川田研郎1 河野辰幸1 永井鑑1 西蔭徹郎1 中島康晃1 春木茂男1 鈴木友宜1 星野明弘1 宮脇豊1 岡田卓也1 河内洋2 杉本太郎3

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部附属病院食道・胃外科 2東京医科歯科大学医学部附属病院病理科 3東京医科歯科大学医学部附属病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.228 - P.239

文献概要

要旨 食道癌治療前後の咽喉頭スクリーニング目的に経鼻内視鏡を導入し,経鼻内視鏡発見例8例を含む, 21例24病変を観察した.大きさ別では5mm以下3病変,5~10mm 2病変,10~20mm 8病変,20mm~ 11病変であった.5mmを超える21病変中20病変(95%)は,“領域性”とFICE+近接観察での“dot状血管の密な増生”をもとに経鼻内視鏡でも存在診断が可能であったが,5mm以下の病変の拾い上げは困難であった.また内視鏡治療を行った17病変中13病変(76%)は,ヨードでの不染域と経鼻内視鏡による範囲診断がほぼ一致した.咽頭観察において, 患者負担が少なく,詳細な観察が可能な経鼻内視鏡検査は今後標準的な咽喉頭スクリーニング検査法となりうる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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