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文献概要
形態診断に役立つ組織化学・分子生物学
―悪性リンパ腫の診断―免疫組織化学染色(1):リンパ球・組織球・造血器腫瘍と他細胞系腫瘍の鑑別
著者: 大島孝一1
所属機関: 1久留米大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.282 - P.286
文献購入ページに移動はじめに
悪性リンパ腫の分類は,分子生物学の進歩を反映した分類が提唱されている.これは,形態に加え,臨床像,免疫組織化学染色,染色体検査,遺伝子解析が加味され,発生分化および,分子生物学的観点から分類される.悪性リンパ腫は,B細胞性リンパ腫,T/NK細胞性リンパ腫,そしてHodgkinリンパ腫に3分され,さらに免疫不全関連リンパ増殖異常症,組織球・樹状細胞腫瘍が大項目として含められている.また,B細胞性リンパ腫,T/NK細胞性リンパ腫は,さらにそれぞれ前駆型(precursor)と成熟型(mature)に分けられている(Table 1)1).Table 1のように,子細な分類となった背景には,従来の形態診断のみでは,分類不能であったが,その後の免疫組織化学染色,染色体検査,遺伝子解析の進歩により,独立疾患として認識できるようになった疾患単位の出現がある.今回は,免疫組織化学染色を主体に診断までの流れを解説する.
診断に当たっては,リンパ球・組織球・造血器腫瘍と他細胞系腫瘍のどこに起源があるかが重要になる.(1)リンパ球・組織球・造血器腫瘍と他細胞系腫瘍の鑑別,(2)リンパ球・組織球・造血器腫瘍の鑑別(次号掲載),(3)悪性リンパ腫の鑑別(次々号掲載),以上の流れで解説を行いたい.
悪性リンパ腫の分類は,分子生物学の進歩を反映した分類が提唱されている.これは,形態に加え,臨床像,免疫組織化学染色,染色体検査,遺伝子解析が加味され,発生分化および,分子生物学的観点から分類される.悪性リンパ腫は,B細胞性リンパ腫,T/NK細胞性リンパ腫,そしてHodgkinリンパ腫に3分され,さらに免疫不全関連リンパ増殖異常症,組織球・樹状細胞腫瘍が大項目として含められている.また,B細胞性リンパ腫,T/NK細胞性リンパ腫は,さらにそれぞれ前駆型(precursor)と成熟型(mature)に分けられている(Table 1)1).Table 1のように,子細な分類となった背景には,従来の形態診断のみでは,分類不能であったが,その後の免疫組織化学染色,染色体検査,遺伝子解析の進歩により,独立疾患として認識できるようになった疾患単位の出現がある.今回は,免疫組織化学染色を主体に診断までの流れを解説する.
診断に当たっては,リンパ球・組織球・造血器腫瘍と他細胞系腫瘍のどこに起源があるかが重要になる.(1)リンパ球・組織球・造血器腫瘍と他細胞系腫瘍の鑑別,(2)リンパ球・組織球・造血器腫瘍の鑑別(次号掲載),(3)悪性リンパ腫の鑑別(次々号掲載),以上の流れで解説を行いたい.
参考文献
1)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al(eds). WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues, 4th ed. WHO classifications of tumors, Vol 2. IARC Press, Lyon, 2008
2)笹島ゆう子.困った時の緊急マニュアル─原発不明癌へのアプローチ.病理と臨 25 : 10-14, 2007
3)小川史洋,新井栄一,清水道生,他.各臓器,疾患で用いられる抗体とその応用─皮膚.病理と臨 25 : 184-191, 2007
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