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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻2号

2010年02月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

単房性嚢胞から成る胃hamartomatous inverted polypの1例

著者: 友松雄一郎1 芳野純治1 乾和郎1 若林貴夫1 小林隆1 渡辺真也1 木村行雄1 小坂俊仁1 磯部祥1

所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院内科

ページ範囲:P.287 - P.293

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要旨 患者は48歳,男性.検診の胃X線検査で異常所見を指摘され,当科を紹介された.胃X線,内視鏡所見では,胃体下部大彎に立ち上がりのなだらかな隆起性病変を認めた.表面は平滑であり,頂部は発赤し,その一部に浅いびらんを呈していた.クッションサインは陽性で,軟らかい粘膜下腫瘍と考えられた.超音波内視鏡所見では,病変は第3層に主座を置く,粘膜下腫瘍として描出された.内部は単房性の無エコー域であり,また第2層から粘膜筋板を越えて第3層に存在する嚢胞に突出したやや低エコーな領域を認めた.治療として内視鏡的粘膜下層剥離術を実施した.病理組織学的に,単房性の胃hamartomatous inverted polypと診断された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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