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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻3号

2010年03月発行

文献概要

今月の主題 出血性小腸疾患─内視鏡診断・治療の最前線 主題

小腸出血性疾患に対する内視鏡治療の現況と展望

著者: 矢野智則1 砂田圭二郎1 西村直之1 新畑博英1 佐藤博之1 三浦正義1 林芳和1 宮田知彦1 山本博徳1 菅野健太郎1

所属機関: 1自治医科大学消化器内科

ページ範囲:P.399 - P.405

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要旨 バルーン内視鏡を用いることで深部小腸の出血性疾患を内視鏡的に診断・治療することが可能になった.バルーン内視鏡は深部小腸でも良好な操作性を保つことができ,鉗子口も有していることから,電気焼灼法,止血クリップ,局注法,ポリペクトミー・EMRなど,胃や大腸で用いられている方法を深部小腸でも用いることが可能である.小腸出血の原因となる病変として,血管性病変,潰瘍性病変,腫瘍性病変,静脈瘤,憩室などがあり,病変種類に応じた治療方法を選択する必要がある.しかし,内視鏡治療を行うためにはタイミングよく検査を行って病変を見つけることが必要であり,そのためにはバルーン内視鏡のさらなる普及が望まれる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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