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文献概要
形態診断に役立つ組織化学・分子生物学
―悪性リンパ腫の診断―免疫組織化学染色(2):リンパ球・組織球・造血器腫瘍の鑑別
著者: 大島孝一1
所属機関: 1久留米大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.406 - P.409
文献購入ページに移動はじめに
今回はリンパ球・組織球・造血器腫瘍の鑑別について解説する.
血液細胞(リンパ球,赤芽球,顆粒球,マクロファージ,血小板)は,すべて骨髄の幹細胞に由来する.幹細胞が分化していくとその機能により,形態および抗原性が異なってくる(Fig. 1)1)2).Fig. 1のように分化に従い抗原の変化がみられる.これらの多くの抗原は,単離細胞浮遊液を用いたフローサイトメトリー(flow cytometry ; FCM)による検索が中心である.しかしながら,病理検索ではパラフィン包埋標本が主体である.今回は血液細胞について簡単に解説する.資料として,Table 1にパラフィン材料でも染色可能な血液細胞関連抗体を示す.
今回はリンパ球・組織球・造血器腫瘍の鑑別について解説する.
血液細胞(リンパ球,赤芽球,顆粒球,マクロファージ,血小板)は,すべて骨髄の幹細胞に由来する.幹細胞が分化していくとその機能により,形態および抗原性が異なってくる(Fig. 1)1)2).Fig. 1のように分化に従い抗原の変化がみられる.これらの多くの抗原は,単離細胞浮遊液を用いたフローサイトメトリー(flow cytometry ; FCM)による検索が中心である.しかしながら,病理検索ではパラフィン包埋標本が主体である.今回は血液細胞について簡単に解説する.資料として,Table 1にパラフィン材料でも染色可能な血液細胞関連抗体を示す.
参考文献
1)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al(eds). WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues, 4th ed. WHO classifications of tumors, Vol 2. IARC Press, Lyon, 2008
2)秋山隆,定平吉都.各臓器,疾患で用いられる抗体とその応用─骨髄.病理と臨 25 : 169-176, 2007
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