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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻4号

2010年04月発行

文献概要

今月の主題 スキルス胃癌と鑑別を要する疾患 主題

スキルス胃癌の特徴と診断の基本―体外式超音波の立場から

著者: 畠二郎1 今村祐志1 眞部紀明1 筒井英明2 石井学2 神崎智子2 鎌田智有2 山下直人3 楠裕明3 塩谷昭子2 秋山隆4 濱崎周次4 春間賢2

所属機関: 1川崎医科大学検査診断学内視鏡・超音波部門 2川崎医科大学検査診断学内科学食道・胃腸科 3川崎医科大学検査診断学総合臨床医学 4川崎医科大学検査診断学病理学1

ページ範囲:P.477 - P.484

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要旨 高分解能な断層診断法であるUSは,スキルス胃癌において病変そのものの診断や,治療方針の決定に有用である.スキルス胃癌の典型的なUS像は層構造の温存されたびまん性の壁肥厚であるが,各層の厚みは不整で,各層間の境界も不明瞭なことが多く,同様にびまん性の壁肥厚を呈する他疾患とは層構造や硬さから大半が鑑別可能である.また,播種性結節の描出や肝の小転移巣の検出においては他の診断法を凌駕すると思われ,治療方針を決定するうえでもUSは必須である.しかしながら,スキルス胃癌の初期病変であるとされる早期癌の段階におけるUSの診断能は,理論上も不良であると言わざるをえない.

参考文献

1)畠二郎,秋山隆,眞部紀明,他.体外式超音波検査.胃と腸 44 : 757-761, 2009
2)Okanobu H, Hata J, Haruma K, et al. Giant gastric folds : differential diagnosis at US. Radiology 226 : 686-690, 2003
3)中村恭一.胃癌の構造,3版.医学書院,pp 283-352, 2005
4)中村恭一.IIcを中心とした胃底腺領域の癌の問題─“linitis plasticaへの小径”の風景から.胃と腸 22 : 999-1001, 1987
5)浜田勉,近藤健司,阿部剛,他.びまん浸潤型胃癌と鑑別を要する炎症性病変.胃と腸 37 : 1687-1699, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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