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今月の主題 スキルス胃癌と鑑別を要する疾患 主題
スキルス胃癌と鑑別を要する腫瘍性疾患―胃悪性リンパ腫
著者: 赤松泰次1
所属機関: 1長野県立病院機構須坂病院内視鏡センター
ページ範囲:P.485 - P.488
文献購入ページに移動要旨 胃悪性リンパ腫のうち,肉眼型が巨大皺襞型を呈する症例はスキルス胃癌との鑑別を要する.低悪性度胃悪性リンパ腫は巨大皺襞型を呈する症例はなく,aggressive lymphomaの一部がこのような形態を示す.いずれも皺襞の腫大を認めるが,胃壁の伸展性が保たれているか否かが最も重要な鑑別のポイントである.胃壁の伸展性は内視鏡よりもX線造影検査のほうが評価しやすい.病変内の潰瘍の形態だけでは両者の鑑別が難しい場合がある.生検による鑑別は有用であるが,生検の採取部位に留意する必要がある.
参考文献
1)佐野量造.胃の肉腫.胃疾患の臨床病理.医学書院,pp257-283, 1974
2)赤松泰次,北原桂,白川晴章,他.胃MALTリンパ腫の内視鏡所見─早期胃癌や胃炎との鑑別診断.胃と腸 44 : 805-812, 2009
3)Yokoyama T, Nakamura N, Kiyosawa K, et al. A biopsy-negative esophageal cancer : diagnosis by combination of bite biopsy and endoscopic mucosal resection using a cap-fitted panendoscope(EMRC). Endoscopy 33 : 386, 2001
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