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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻4号

2010年04月発行

文献概要

今月の主題 スキルス胃癌と鑑別を要する疾患 主題

スキルス胃癌と鑑別を要する非腫瘍性疾患―腐食性胃炎

著者: 三井慎也1 野村昌史1 志田勇人1 青木敬則1 加藤新1 金子昌史1 真口宏介1

所属機関: 1手稲渓仁会病院消化器病センター

ページ範囲:P.539 - P.542

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要旨 腐食性胃炎は胃壁の伸展不良に加えて潰瘍,びらんなど粘膜面の変化が強く,スキルス胃癌との鑑別を要することがある.特に胃壁の伸展不良は受傷から時間が経つにつれて強くなり,鑑別に難渋することがある.粘膜所見を評価する際には内視鏡検査が有用であり,胃壁の伸展性を評価する際にはX線検査が有用である.また,酸・アルカリなどの曝露時間の違いから傷害の程度は異なるが,腐食性胃炎では咽喉頭や食道にも粘膜傷害が認められることも鑑別のポイントである.両者の鑑別に際しては,酸・アルカリなどの飲用や精神疾患の既往など正確な問診の聴取が重要となってくる.

参考文献

1)永尾重昭.胃─腐蝕性胃炎.別冊日臨 消化管症候群(上): 527-530, 2009
2)和唐正樹,稲葉知己,泉川孝一,他.塩酸飲用による腐食性上部消化管傷害の1例.Gastroenterol Endosc 46 : 2101-2106, 2004
3)狩野敦,井上義博.腹部救急診療に関する内視鏡診断と治療─腐食性食道・胃傷害に対する内視鏡診断と治療.日腹部救急医会誌 17 : 803-807, 1997
4)大江洋文,森昌造.消化管症候群─腐蝕性食道炎.別冊日臨 領域別症候群5 : 212-214, 1994
5)浜田勉,近藤健司,阿部剛,他.びまん浸潤型胃癌と鑑別を要する炎症性病変.胃と腸 37 : 1687-1699, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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