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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻4号

2010年04月発行

文献概要

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編集後記

著者: 赤松泰次1

所属機関: 1長野県独立法人病院機構須坂病院内視鏡センター

ページ範囲:P.585 - P.585

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 日常診療においてスキルス胃癌と類似した形態変化に遭遇することは少なくない.皺襞の蛇行や腫大,胃壁の肥厚や硬化,胃全体の狭小化や収縮などの所見を認めた場合,スキルス胃癌とそれに類似する疾患とを鑑別することは,治療方針を決定するうえで極めて重要である.生検で癌組織が証明される場合にはそれほど診断に苦慮することはないが,X線や内視鏡所見でスキルス胃癌を疑うにもかかわらず,通常の鉗子生検では癌組織が採取されない場合は,臨床医にとって極めて悩ましい状況に陥る.すなわち,治療方針を“経過観察”とすると,結果的にスキルス胃癌であった場合には診断が遅れて切除不能となったり,逆に“外科手術”を選択した場合にはover surgeryとなる可能性があるからである.このような観点から,今回スキルス胃癌と鑑別を要する疾患という特集を企画した.企画のコンセプトは,まずスキルス胃癌の特徴について理解を深め,そのうえでスキルス胃癌と形態が類似した疾患を列挙して両者の鑑別点を読者にわかりやすく解説することである.

 前半は病理(平橋論文),X線(山本論文),内視鏡(丸山論文),EUS(村田論文),CT(奥田論文),体外式US(畠論文)の立場から,様々なmodalityにおけるスキルス胃癌の形態的特徴を,それぞれのエキスパートの先生方に解説していただいた.後半は多くの施設に依頼し,スキルス胃癌と鑑別を要する疾患について症例を提示してもらい,各疾患の解説とスキルス胃癌との鑑別のポイントを図表とともに簡潔に記載してアトラス風にまとめていただいた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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