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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 早期大腸癌2010 主題 1.早期大腸癌の疫学

腺腫の内視鏡的摘除は大腸癌を予防しているのか─記述疫学による状況証拠

著者: 石川秀樹1

所属機関: 1京都府立医科大学分子標的癌予防医学

ページ範囲:P.602 - P.607

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要旨 記述疫学データより,日本における大腸癌の増減は(1)主に結腸癌による変化であること,(2)直線的に増加してきた結腸癌は1990年前半にまず罹患率の上昇が止まり,その後,死亡率が減少していること,(3)早期大腸癌の罹患率は増加していないこと,(4)50~60歳代の男性での罹患が減少していること,(5)大腸癌死亡率の高い県では内視鏡専門医が少ない傾向があること,を示した.これらの知見は,大腸癌の前癌病変である腺腫を内視鏡的に摘除したことによる結果と考えて矛盾しない状況証拠である.腺腫の内視鏡的摘除が大腸癌の発生を予防しているか否かを明らかにするため,今後,分析疫学や介入疫学により検証的研究をする必要がある.

参考文献

1)中村好一.基礎から学ぶ楽しい疫学.医学書院,2002
2)大阪府健康福祉部大阪府医師会.大阪府におけるがん登録(年報) 第62報から第71報.大阪府立成人病センター,1999-2009
3)World Cancer Research Fund & American Institute for Cancer Research. Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer : a Global Perspective. pp280-288, 2007
4)Murakami R, Tsukuma H, Kanamori S, et al. Natural history of colorectal polyps and the effect of polypectomy on occurrence of subsequent cancer. Int J Cancer 46 : 159-164, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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