文献詳細
特集 早期大腸癌2010
主題 2.早期大腸癌の肉眼分類
文献概要
要旨 大腸でも陥凹型病変(IIc)が存在することが注目された折,報告者間でこのような病変に対する認識が一定しておらず,少なからず混乱を生じた.大腸癌に関する組織発生,発育と増殖,診断と治療などに関する討論が行われる場合,共通言語がなければ誤解を生じることが痛感された.そこで,大腸癌研究会では大腸癌,特に表在型腫瘍の肉眼型分類などの定義を作成するために,「表在型大腸腫瘍プロジェクト研究班」を結成して討論した.そのコンセンサスは「大腸癌取扱い規約第7版」に記載された.わが国の研究成果を世界に発信するに当たって,大腸癌研究会における肉眼型分類作成の理念を踏襲して,共通言語を用いた論文作成がなされることを期待する.
参考文献
1)狩谷淳,水野幸一,間山素行,他.IIc型早期大腸癌が認められた家族性大腸ポリポージスの1例.胃と腸 12 : 1359-1364, 1977
2)工藤進英,林俊一,三浦宏二,他.平坦・陥凹型早期大腸癌の内視鏡診断と治療─微小癌の内視鏡像を中心に.胃と腸 24 : 317-329, 1989
3)多田正大,斉藤裕輔,藤盛孝博,他.表在型大腸腫瘍の形態分類(案).消内視鏡 14 : 1920-1925, 2002
4)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,6版.金原出版,1998
5)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,13版.金原出版,1999
6)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版.金原出版,2006
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