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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 早期大腸癌2010 ノート 4.早期大腸癌の病理

病理診断に有用な特殊染色

著者: 松原亜季子1 九嶋亮治1 谷口浩和1 関根茂樹2

所属機関: 1国立がん研究センター中央病院臨床検査部病理 2国立がん研究センター研究所病理部

ページ範囲:P.699 - P.704

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要旨 大腸腫瘍の病理診断において免疫染色を含む特殊染色が用いられてきた.静脈侵襲とリンパ管侵襲を調べるために,それぞれElastica van GiesonまたはVictoria blue-HE染色とD2-40免疫染色が最近しばしば用いられている.腫瘍の粘膜下層浸潤距離の測定にはDesmin免疫染色が用いられる.腺腫や鋸歯状病変といった前癌病変と腺癌,あるいは潰瘍性大腸炎関連腫瘍の鑑別診断には,Ki-67やp53蛋白に対する免疫染色が有用である.内分泌細胞腫瘍の形質判定や悪性度の推定,あるいは転移性と原発性の鑑別にも免疫染色が用いられる.病理診断には肉眼診断とHE切片による組織診断が重要であるが,特殊染色を用いてより客観的で再現性のある病理診断を提供したい.

参考文献

1)下田忠和.大腸癌研究会プロジェクト研究より 転移・予後因子としてのリンパ管・静脈侵襲程度の再評価─判定の精度管理を目指して.大腸疾患NOW.武藤徹一郎(監修),日本メディカルセンター,pp 133-141, 2010
2)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版補訂版.金原出版.pp 41,2009
3)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン,医師用2009年版.金原出版,pp 42-44,2009
4)大倉康男,味岡洋一,藤森孝博.大腸SM癌浸潤距離計測の実際.胃と腸 44 : 1263-1278, 2009
5)Torlakovic EE, Gomez JD, Driman DK, et al. Sessile serrated adenoma(SSA)vs. traditional serrated adenoma(TSA). Am J Surg Pathol 32 : 21-29, 2008
6)菅井有,中村眞一.各臓器,疾患で用いられる抗体とその応用─大腸.病理と臨 25(臨増): 57-64, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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