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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻6号

2010年05月発行

今月の主題 側方発育型大腸腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)─分類と意義

主題

深達度診断からみた側方発育型大腸腫瘍(LST)の分類と意義―X線診断の立場から

著者: 野村昌史1 三井慎也1 志田勇人1 青木敬則1 加藤新1 金子昌史1 篠原敏也2 真口宏介1

所属機関: 1手稲渓仁会病院消化器病センター 2手稲渓仁会病院病理診断科

ページ範囲:P.953 - P.958

文献概要

要旨 側方発育型大腸腫瘍(LST)は顆粒型(LST-G)と非顆粒型(LST-NG)に大きく二分され,さらに,前者は顆粒均一型(LST-G-H)と結節混在型(LST-G-M)の2群に,後者は平坦隆起型(LST-NG-F)と偽陥凹型(LST-NG-PD)の2群に分けられる.注腸X線検査では浅い陥凹の描出は難しく,注腸X線検査だけでLST-NG-FとLST-NG-PDを厳密に分けることは困難である.注腸X線検査は,現在,癌の深達度診断において内視鏡診断を補助する目的で施行されることが多く,LSTに関しても同様である.LSTは粘膜内に限局する病変であっても,時に側面変形を認めることがあり,注意を要する.深達度診断に際しては,拡大を含めた内視鏡所見,超音波内視鏡所見を合わせた総合的な判断が重要と思われる.

参考文献

1)工藤進英. Laterally Spreading Tumor(Creeping Tumor). Early Colorectal Cancer─Detection of Depressed Types of Colorectal Carcinoma. 医学書院, pp 34-36, 1996
2)工藤進英,下田良,樫田博史,他.いわゆる側方発育型大腸腫瘍の定義の歴史.胃と腸 40 : 1721-1725, 2005
3)二村聡,岩下明徳,津田純郎,他.いわゆる側方発育型大腸腫瘍の病理形態学的特徴─特に顆粒型と非顆粒型の相違について.胃と腸 40 : 1726-1743, 2005
4)小林広幸,渕上忠彦,大城由美,他.いわゆる側方発育型大腸腫瘍のX線診断.胃と腸 40 : 1744-1758, 2005
5)山野泰穂,松下弘雄,黒田浩平,他.いわゆる側方発育型大腸腫瘍における治療法選択のための質的診断─内視鏡診断(拡大内視鏡を中心に).胃と腸 40 : 1759-1769, 2005
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7)牛尾恭輔,後藤裕夫,村松幸男,他.消化管癌のX線診断における側面像の意義─二重造影像による深達度診断.胃と腸 21 : 27-41, 1986
8)松田尚久,斎藤豊,浦岡俊夫,他.形態学的特徴 内視鏡的特徴 通常内視鏡診断のポイントと臨床病理学的特徴像.早期大腸癌 8 : 181-188, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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