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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻6号

2010年05月発行

文献概要

今月の主題 側方発育型大腸腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)─分類と意義 主題

深達度診断からみた側方発育型大腸腫瘍(LST)の分類と意義―内視鏡診断の立場から:通常観察からみたLSTの深達度診断

著者: 長谷川申1 鶴田修2 河野弘志1 有田桂子1 前山泰彦1 光山慶一1 佐田通夫1

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 2久留米大学医学部消化器病センター

ページ範囲:P.959 - P.968

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要旨 LSTをLST-G-H,LST-G-MとLST-NG-FE,LST-NG-PDに分類し,臨床的背景,大きさと病理組織の関係,および通常内視鏡観察におけるSM深部浸潤癌の指標について検討した.LST-Gは盲腸と直腸に多く,LST-NGは横行結腸に多く存在し,LST-GはLST-NGに比して有意に大きかった.LST-Gは腫瘍径が大きくなるに従い担癌率が上昇し,LST-NGは小さい病変においても担癌率が高く,深部浸潤率も高値であった.通常観察における深達度診断の指標としては緊満感を伴う二段隆起または陥凹内隆起が重要であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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