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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻6号

2010年05月発行

文献概要

今月の主題 側方発育型大腸腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)─分類と意義 主題

治療法選択からみた側方発育型大腸腫瘍(LST)の分類と意義―EMRの立場から

著者: 小泉浩一1 服部公昭2 桑田剛2 安食元2 来間佐和子2 田畑拓久2 堀口慎一郎3

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科 2がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科 3がん・感染症センター都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.989 - P.999

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要旨 LSTは臨床病理学的に,LST-GとLST-NGに分類され,SM浸潤はLST-Gでは7.1%で.LST-NGは18.8%であり,腫瘍径の増大とともにSM浸潤率は上昇した.線維化を伴う病変などではEMRで一括切除できない病変でもESDで可能となるので,近年はESDによる切除が増加している.軽度の線維化を伴う病変では,病変周囲切開後のEMR(hybrid EMR ; HEMR)で一括切除できるものもあり,最大径30mmまでの病変や線維化が軽度の病変では有効である.特にLST-NGでは大きさによりEMR,HEMR,ESDを選択することにより効率的に一括切除が可能である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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