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文献詳細

雑誌文献

胃と腸45巻9号

2010年08月発行

今月の主題 食道表在癌の深達度診断

主題

食道表在癌の深達度診断―NBI拡大内視鏡の立場から

著者: 高橋亜紀子1 小山恒男1 友利彰寿1 國枝献治1 篠原知明1 北村陽子1 堀田欣一1 宮田佳典1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.1504 - P.1514

文献概要

要旨 NBI拡大内視鏡にて観察される微細血管の口径不同,血管径,延長所見に注目し,異常血管の延長所見が軽微で,血管径が細い場合に深達度T1a(EP-LPM),異常血管の延長を認めたが血管径が細い場合はT1a-MMからT1b-SM1,高度延長に加え血管径の増大を認めた場合をT1b-SM2と診断した.また有馬らが報告したAVA(avascular area)≦0.5mmをT1a-LPM,AVA>3mmをT1b-SM2,この間をT1a-MMからT1b-SM1と診断してきた.これらの血管所見は深達度診断に有用であったが,浸潤部の表層がT1a-EP,LPMの癌で覆われた病変やT1a-MM浸潤幅が1~2mm以下であった病変では血管の異型が観察されず,NBI拡大内視鏡による診断の限界であった.通常観察にて厚みを認めたにもかかわらず,血管異型が軽度な病変に従来法であるEUSを併用した総合的な診断が望まれる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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