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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻1号

2011年01月発行

文献概要

胃と腸 図譜

十二指腸カルチノイド

著者: 芳野純治1 溝口良順2

所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科 2藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院病理診断科

ページ範囲:P.96 - P.98

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1 概念,病態

 消化管カルチノイドは粘膜深部の幼若内分泌細胞から発生し,早期に粘膜筋板を越えて粘膜下層に浸潤し,粘膜下腫瘍の形態を呈する.十二指腸カルチノイドの頻度は本邦では直腸(35.3%),胃(27.9%)に次いで13.8%と報告されている.臨床症状として下血がみられるが,偶然発見されることが多い.十二指腸カルチノイド897例を集計した報告3)によると,男 : 女=1.39 : 1,平均年齢 : 55.9(9~91)歳,発生部位は上部45.6%,下行部44.1%,乳頭部25.2%,下部1.7%である.平均の腫瘍径は17.7mm,深達度はM 3.6%,SM 62.9%,MP 16.3%,筋層を越えるもの17.9%である.転移は全体の27.4%にみられ,リンパ節転移が20.0%,肝転移が9.9%である.大きさと転移との関係は,大きさがわかる655例についてみると5mm以下10.6%,6~10mm 14.3%,11~20mm 26.3%,21~50mm 48.1%,50mm以上 66.7%である.また,カルチノイド症候群は3.1%にみられる.

参考文献

1)Oberndofer S. Karzinoide tumoren des dunndarms. Frankufurt Z Path 1 : 426-432, 1907
2)山本智文,青柳邦彦,飯田三雄,他.内視鏡的に切除した十二指腸カルチノイドの1例.胃と腸 29 : 1325-1329, 1994
3)Soga J. Endocrinocarcinomas(carcinoids and their variants)of the duodenum. An evaluation of 927 cases. J Exp Clin Cancer Res 22 : 349-363, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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