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胃と腸 図譜
十二指腸カルチノイド
著者: 芳野純治1 溝口良順2
所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科 2藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院病理診断科
ページ範囲:P.96 - P.98
文献購入ページに移動消化管カルチノイドは粘膜深部の幼若内分泌細胞から発生し,早期に粘膜筋板を越えて粘膜下層に浸潤し,粘膜下腫瘍の形態を呈する.十二指腸カルチノイドの頻度は本邦では直腸(35.3%),胃(27.9%)に次いで13.8%と報告されている.臨床症状として下血がみられるが,偶然発見されることが多い.十二指腸カルチノイド897例を集計した報告3)によると,男 : 女=1.39 : 1,平均年齢 : 55.9(9~91)歳,発生部位は上部45.6%,下行部44.1%,乳頭部25.2%,下部1.7%である.平均の腫瘍径は17.7mm,深達度はM 3.6%,SM 62.9%,MP 16.3%,筋層を越えるもの17.9%である.転移は全体の27.4%にみられ,リンパ節転移が20.0%,肝転移が9.9%である.大きさと転移との関係は,大きさがわかる655例についてみると5mm以下10.6%,6~10mm 14.3%,11~20mm 26.3%,21~50mm 48.1%,50mm以上 66.7%である.また,カルチノイド症候群は3.1%にみられる.
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