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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻10号

2011年09月発行

文献概要

今月の主題 大腸SM癌に対する内視鏡治療の適応拡大 主題

大腸癌治療ガイドライン2005/2009の妥当性

著者: 依田雄介1 池松弘朗1 松田尚久2 鷹尾まど佳3 篠原知明4 小林望5 藤井隆広6 金子和弘1 山口裕一郎3 堀田欣一4 斎藤豊2

所属機関: 1国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科 2国立がん研究センター中央病院消化管内視鏡科 3静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 4佐久総合病院胃腸科 5栃木県立がんセンター画像診断部 6隆風会・藤井隆広クリニック

ページ範囲:P.1442 - P.1448

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要旨 大腸pSM癌の長期成績(多施設共同・遡及的検討)から大腸癌治療ガイドラインの妥当性を検討した.大腸pSM癌626例のうち経過観察可能症例は105例で,長期成績は再発2例(1.9%),死亡3例(原病死1例),5年無再発生存98%,5年全生存93%であった.追加治療が考慮された症例のうち,追加治療非施行群84例と施行群159例において,再発率はそれぞれ7.1%vs. 2.5%,5年無再発生存90% vs. 97%と,統計学的有意差はないものの追加治療施行群に良好な傾向にあり,追加手術の意義が示唆された.長期成績の観点からは,ガイドラインに即した治療法選択は妥当であると考えられたが,実臨床においては,経過観察可能群においても再発の危険性を念頭に置く必要性がある.

参考文献

1)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2005年版.金原出版,2005
2)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2009年版.金原出版,2009
3)Kitajima K, Fujimori T, Fujii S, et al. Correlations between lymph node metastasis and depth of submucosal invasion in submucosal invasive colorectal carcinoma : a Japanese collaborative study. J Gastroenterol 39 : 534-543, 2004
4)Ueno H, Mochizuki H, Hashiguchi Y, et al. Risk factors for an adverse outcome in early invasive colorectal carcinoma. Gastroenterology 127 : 385-394, 2004
5)岡志郎,田中信治,金尾浩幸,他.大腸SM癌内視鏡治療の中期予後─大腸癌研究会「内視鏡治療後の至適サーベイランス」プロジェクト研究班アンケート調査から.胃と腸 44 : 1286-1294, 2009
6)江頭由太郎,芥川寛,枝川豪,他.大腸SM癌のリンパ節転移に関する病理学的因子の研究─組織型の評価を中心に.胃と腸 44 : 1229-1240, 2009
7)Weiser MR, Landmann RG, Wong WD, et al. Surgical salvage of recurrent rectal cancer after transanal excision. Dis Colon Rectum 48 : 1169-1175, 2005
8)Girard P, Baldeyrou P, Le Chevalier T, et al. Surgery for pulmonary metastases : who are the 10-year survivors? Cancer 74 : 2791-2797, 1994
9)Stangl R, Altendorf-Hofmann A, Charnley RM, et al. Factors influencing the natural history of colorectal liver metastases. Lancet 343 : 1405-1410, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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