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編集後記
著者: 味岡洋一1
所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学
ページ範囲:P.1575 - P.1575
文献購入ページに移動 大腸SM癌の治療法については,「大腸癌治療ガイドライン」2005年版と2009年版で,その指針が示されてきた.ガイドライン成立までの経緯と概要,その妥当性と問題点および課題については斉藤の序説に概説されているが,本号では,ガイドラインによる治療方針の臨床的妥当性と内視鏡治療の適応拡大に焦点を当てている.“内視鏡的治療の適応拡大”には2つの観点がある.1つは,“内視鏡的治療根治基準の拡大”であり,もう1つは“内視鏡による完全摘除可能病変の拡大”である.
依田らは,ガイドラインによる内視鏡的治療観察可能群に再発例はなく,追加腸切除考慮群で,追加腸切除施行病変は非施行病変に比べ5年無再発生存率良好の傾向があったことから,ガイドラインによる治療法は妥当であると述べている.一方,上野らは,ガイドラインで追加腸切除考慮とされる病変で,SM浸潤度≧1,000μmのみを満たすものを追加腸切除すると“over surgery”になる危険性を指摘し,“浸潤度≧1,000μm”のSM癌の転移リスク層別化の必要性を述べている.このことは最後の金尾らの「適応拡大に向けての提言」の項でも強調されており,今後のガイドライン改訂に向けて最も重要なポイントと考えられる.
依田らは,ガイドラインによる内視鏡的治療観察可能群に再発例はなく,追加腸切除考慮群で,追加腸切除施行病変は非施行病変に比べ5年無再発生存率良好の傾向があったことから,ガイドラインによる治療法は妥当であると述べている.一方,上野らは,ガイドラインで追加腸切除考慮とされる病変で,SM浸潤度≧1,000μmのみを満たすものを追加腸切除すると“over surgery”になる危険性を指摘し,“浸潤度≧1,000μm”のSM癌の転移リスク層別化の必要性を述べている.このことは最後の金尾らの「適応拡大に向けての提言」の項でも強調されており,今後のガイドライン改訂に向けて最も重要なポイントと考えられる.
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