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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻12号

2011年11月発行

文献概要

今月の主題 Barrett食道癌の診断 主題

Barrett食道癌のX線診断

著者: 高木靖寛1 小野陽一郎1 石川智士1 八坂太親1 別府孝浩1 平井郁仁1 八尾建史1 長浜孝1 松井敏幸1 田邊寛2 池田圭祐2 大重要人2 太田敦子2 金光高雄2 原岡誠司2 岩下明徳2 三上公治3 二見喜太郎3 前川隆文3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科 2福岡大学筑紫病院病理部 3福岡大学筑紫病院外科

ページ範囲:P.1789 - P.1798

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要旨 Barrett食道および,そこに発生する腺癌についてX線撮影法,所見の読影について概説し,自験例のX線所見を病理所見と対比して検討した.食道胃接合部(EGJ)やsquamo-columnar junction(SCJ)が同定できれば腫瘍の発生母地の推定がX線でも可能であった.また,Barrett食道のX線像である顆粒状~網状の微細な粘膜模様もX線で描出でき,さらにその中の腫瘍を二重造影で良好に描出できれば,正面像の陰影斑の形,濃さ,または隆起成分の不整像,大きさ,立ち上がりなどから病変の成り立ちが推定でき,側面像による変形や伸展不良所見の有無から深達度の鑑別も可能と考えられた.しかし,平坦で側方に拡がる進展部の診断には困難性が示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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