icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻12号

2011年11月発行

文献概要

今月の主題 Barrett食道癌の診断 主題

Barrett食道癌の超音波内視鏡診断

著者: 有馬美和子1 多田正弘1 田中洋一2 川島吉之2

所属機関: 1埼玉県立がんセンター消化器内科 2埼玉県立がんセンター消化器外科

ページ範囲:P.1852 - P.1860

文献購入ページに移動
要旨 Barrett食道癌の深達度診断におけるEUSの診断能について検討した.高周波数細径超音波プローブでは,粘膜筋板から粘膜下層が線維化の影響で層構造の分離が不明瞭であることが多い.食道腺や脈管などが混在することで不均一に描出され,腫瘍との境界も不鮮明になりやすく,T1a-SMM/LPMとT1a-DMMの鑑別,T1a-DMM/SM1の診断は難しかった.SM2/SM3の診断能は比較的良好であった.周囲の健常部から腫瘍部へとプローブを動かして,層構造の変化をとらえる必要がある.リニア型EUSは腺上皮レベルにとどまる粘膜癌の描出には限界があるが,粘膜下層深部癌の深達度診断は良好であった.先端バルーンによる圧排で深く読みすぎる傾向があるので注意を要した.

参考文献

1)日本食道学会(編).臨床・病理─食道癌取扱い規約,10版補訂版.金原出版,2008
2)有馬美和子.リニア型超音波内視鏡による噴門癌口側浸潤診断と術式選択に関する検討.J Med Ultrasonics 25 : 19-33, 1998
3)山中桓夫.EUS壁構造の解釈.Gastroenterol Endosc 43 : 1091-1092, 2001
4)森川丘道,有馬美和子,神津照雄,他.高周波数細径超音波プローブによる食道内ラジアル走査─表在食道癌深達度診断の検討.腹部画像診断 14 : 604-614, 1994
5)有馬美和子,多田正弘,有馬秀明.表在型Barrett食道癌の超音波内視鏡診断.胃と腸 39 : 1259-1273, 2004
6)有馬美和子,有馬秀明,多田正弘.食道表在癌深達度診断の進歩─拡大内視鏡vs EUS : EUSの意義.胃と腸 41 : 183-196, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?