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胃と腸 図譜
リンパ濾胞性直腸炎
著者: 藤田浩史1 長坂光夫1 鎌野俊彰1 小村成巨1 平田一郎1
所属機関: 1藤田保健衛生大学消化管内科
ページ範囲:P.1884 - P.1888
文献購入ページに移動リンパ濾胞性直腸炎(lymphoid follicular proctitis ; LFP)は健常な粘膜に覆われたリンパ濾胞の,直腸に限局する原因不明の過形成で,従来,潰瘍性直腸炎(ulcerative proctitis ; UP)と呼ばれる直腸に限局する慢性潰瘍性大腸炎(chronic ulcerative colitis ; CUC)の亜型と考えられてきた1)2).LFPは1985年Potetら3)によりideopathic follicular proctitisとして初めて学会報告され,その後,Flejouら2)が1988年に直腸にリンパ濾胞増生を認めた20症例の臨床的,病理学的所見を詳細に検討しUPから新しい疾患概念としてLFPを区別した.
LFPは40歳以下に好発し,性差を認めない.臨床症状は主に排便に関連した間欠出血で,時にテネスムス,腹痛,便秘,痔核などがみられるときがある.全身状態は良好で発熱,体重減少はなく,下痢は通常認めない2)4).
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