文献詳細
胃と腸 図譜
文献概要
1 概念,病態
胃粘膜下異所腺とは,本来胃粘膜固有層内に存在する胃腺組織が,異所性に胃粘膜下に認められるものである.切除胃の4.0~10.71)2)に認められると報告されている.40~60歳代に好発し,男性に多い.部位は胃体部に多い傾向がある.背景粘膜に萎縮性胃炎や腸上皮化性を示すことが多く,平坦なものから,polypoid状,粘膜下腫瘤様など様々な肉眼形態をとる.
発生機序は,胃粘膜のびらん・再生を繰り返している間に,粘膜下層に異所腺を生じるという後天性炎症説を有力視している報告が多い.一方,異所腺は先天的な過形成であるという説もあり,若年者の報告もまれではあるが存在す3).
胃粘膜下異所腺とは,本来胃粘膜固有層内に存在する胃腺組織が,異所性に胃粘膜下に認められるものである.切除胃の4.0~10.71)2)に認められると報告されている.40~60歳代に好発し,男性に多い.部位は胃体部に多い傾向がある.背景粘膜に萎縮性胃炎や腸上皮化性を示すことが多く,平坦なものから,polypoid状,粘膜下腫瘤様など様々な肉眼形態をとる.
発生機序は,胃粘膜のびらん・再生を繰り返している間に,粘膜下層に異所腺を生じるという後天性炎症説を有力視している報告が多い.一方,異所腺は先天的な過形成であるという説もあり,若年者の報告もまれではあるが存在す3).
参考文献
1)岩永剛,古河洋,石黒信吾.胃粘膜下びまん性異所腺の102例の検討による胃癌発生機序に関する研究.最新医 41 : 2418-2426, 1986
2)Yamagiwa H, Matsuzaki O, Ishihara A, et al. Heterotopic gastric glands in the submucosa of the stomach. Acta Pathol Jpn 29 : 347-350, 1979
3)杉山幸一,浅木茂,大原秀一,他.内視鏡的ポリペクトミーを行った若年者の胃粘膜下異所腺の1例.Gastroenterol Endosc 34 : 2354-2360, 2351, 1992
4)福田直子,小田修治,辻上孝司,他.粘膜下腫瘍様の形態を呈し,粘膜下異所性腺管からの発生が示唆された早期胃癌の1例.Gastroenterol Endosc 49 : 2498-2503, 2007
5)竹内学,小林正明,味岡洋一,他.特殊な成り立ちの早期胃癌─粘膜下囊胞由来の癌.胃と腸 44 : 736-743, 2009
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