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胃と腸 図譜
直腸GIST
著者: 松田圭二1 渡邉聡明1
所属機関: 1帝京大学外科
ページ範囲:P.174 - P.177
文献購入ページに移動1 概念,病態
GIST(gastrointestinal stromal tumor)は,筋層内にあるCajal介在細胞が増殖し,腫瘍となったもので,腫瘍細胞の細胞膜にあるKIT,またはPDGF-Rαという蛋白の異常が主な原因と考えられている.GISTの発症頻度は人口100万人当たり20人/年と推測されており,大腸GISTは消化管GIST全体の4~10%とまれである.発症年齢は55~60歳で男性に多く,初発症状として血便,肛門痛,排便困難などがあるが,症状のないものもある.直腸の中では下部直腸に多くみられる.他のGIST同様,転移は肝臓や腹膜播種がメインで,リンパ節転移はまれである1).
GIST(gastrointestinal stromal tumor)は,筋層内にあるCajal介在細胞が増殖し,腫瘍となったもので,腫瘍細胞の細胞膜にあるKIT,またはPDGF-Rαという蛋白の異常が主な原因と考えられている.GISTの発症頻度は人口100万人当たり20人/年と推測されており,大腸GISTは消化管GIST全体の4~10%とまれである.発症年齢は55~60歳で男性に多く,初発症状として血便,肛門痛,排便困難などがあるが,症状のないものもある.直腸の中では下部直腸に多くみられる.他のGIST同様,転移は肝臓や腹膜播種がメインで,リンパ節転移はまれである1).
参考文献
1)Miettinen M, Furlong M, Sarlomo-Rikala M, et al. Gastrointestinal stromal tumors, intramural leiomyomas, and leiomyosarcomas in the rectum and anus : a clinicopathologic, immunohistochemical, and molecular genetic study of 144 cases. Am J Surg Pathol 25 : 1121-1133, 2001
2)世古口悟,奥山祐右,榎泰之,他.メシル酸イマチニブによるneoadjuvant therapyにて肛門温存縮小手術が可能であった直腸原発GISTの1例.日消誌 106 : 1751-1757, 2009
3)Ebihara Y, Okushiba S, Kawarada Y, et al. Neoadjuvant imatinib in a gastrointestinal stromal tumor of the rectum : report of a case. Surg Today 38 : 174-177, 2008
4)Miettinen M, Lasota J. Gastrointestinal stromal tumors : Pathology and prognosis at different sites. Semin Diagn Pathol 23 : 70-83, 2006
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