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胃と腸 図譜
小腸Dieulafoy病変
著者: 鳥井淑敬1 芳野純治1 溝口良順2
所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科 2藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院病理診断科
ページ範囲:P.508 - P.510
文献購入ページに移動Dieulafoy病変とは極めて小範囲の浅い潰瘍と粘膜下層の露出動脈の存在ならびに動脈破綻を来す病変である.比較的まれな,消化管出血を来す病態で,1898年,フランス人医師,Dieulafoy1)により初めて報告された.
従来,胃体上部に多く発生すると考えられ,小腸での報告例は少ないとされていたが,近年,画像検査の進歩により報告例が増加している.胃・小腸以外にも,食道・空腸・回腸・結腸・直腸と全消化管でその発生を認める.Dieulafoy潰瘍と表現されることもあるが,同義である.病理組織学的には,Ul-IIまでの浅い潰瘍性病変で粘膜下に拡張,蛇行する動脈が認められ,その一部が粘膜を貫通する.診断は内視鏡検査によりなされることが多いが,血管造影や出血シンチグラフィで診断されることもある.
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