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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻4号

2011年04月発行

文献概要

胃と腸 図譜

小腸Dieulafoy病変

著者: 鳥井淑敬1 芳野純治1 溝口良順2

所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科 2藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院病理診断科

ページ範囲:P.508 - P.510

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1 概念,病態

 Dieulafoy病変とは極めて小範囲の浅い潰瘍と粘膜下層の露出動脈の存在ならびに動脈破綻を来す病変である.比較的まれな,消化管出血を来す病態で,1898年,フランス人医師,Dieulafoy1)により初めて報告された.

 従来,胃体上部に多く発生すると考えられ,小腸での報告例は少ないとされていたが,近年,画像検査の進歩により報告例が増加している.胃・小腸以外にも,食道・空腸・回腸・結腸・直腸と全消化管でその発生を認める.Dieulafoy潰瘍と表現されることもあるが,同義である.病理組織学的には,Ul-IIまでの浅い潰瘍性病変で粘膜下に拡張,蛇行する動脈が認められ,その一部が粘膜を貫通する.診断は内視鏡検査によりなされることが多いが,血管造影や出血シンチグラフィで診断されることもある.

参考文献

1)Dieulafoy G. Eexulceratio simplex. Bull de l'Acad de Med 39 : 49-84, 1898
2)三井啓吾,田中周,藤森俊二,他.診断戦略からみたダブルバルーン内視鏡とカプセル内視鏡.Gastroenterol Endosc 51 : 2853-2865, 2009
3)Yano T, Yamamoto H, Sunada K, et al. Endoscopic classification of vascular lesions of the small intestine(with videos). Gastrointest Endosc 67 : 169-172, 2008
4)中村正直,大宮直木,宮原良二,他.原因不明の消化管出血例におけるカプセル内視鏡の診断的意義.Gastroenterol Endosc 51 : 2866-2876, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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