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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻5号

2011年05月発行

文献概要

特集 食道表在癌2011 主題 3.食道表在癌の病理診断

2)切除標本の病理診断―特に追加治療の判断材料としての病理診断

著者: 立石陽子1 根本哲生12 比島恒和1 藤原純子3 門馬久美子3

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院病理科 2東邦大学医療センター大森病院病理診断科 3がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科

ページ範囲:P.579 - P.586

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要旨 内視鏡的粘膜切除/内視鏡的粘膜下層剝離術(EMR/ESD)後の追加治療の有無は病理組織所見により判断される.本稿では,追加治療の適否を判断する材料としての病理所見を中心に解説する.当院における深達度LPM/MMの57病変を検討したところ,MM病変,特に脈管侵襲を有する病変では腫瘍辺縁が不整となり小さな舌状の伸び出しを示す浸潤パターンが多かった.LPM病変の診断においては,深達度とともに浸潤パターンについての記載がなされることが望ましいと考える.また,適切な病理診断を行うために必要なEMR/ESD材料の標本作製における注意点について記載する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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