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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻5号

2011年05月発行

特集 食道表在癌2011

症例 1.小癌・微小癌

小癌・微小癌

著者: 藤原純子1 門馬久美子1 藤原崇2 江頭秀人2 江川直人2 了徳寺大郎3 三浦昭順3 加藤剛3 出江洋介3 立石陽子4 比島恒和4 吉田操5

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科 2がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科 3がん・感染症センター都立駒込病院食道外科 4がん・感染症センター都立駒込病院病理科 5早期胃癌検診協会中央診療所

ページ範囲:P.739 - P.748

文献概要

要旨 2005年1月から2009年12月までに内視鏡治療を行った10mm以下の食道表在癌は126病変であり,超微小癌11病変,微小癌41病変,小癌74病変であった.〔症例1〕 超微小癌.2×1.5mm,0-IIc,T1a-LPM.化学療法後の異時性多発癌,〔症例2〕 微小癌.4×4mm,0-I+IIb,T1a-MM,ly0,v0,〔症例3〕 微小癌.5×4mm,0-IIc,SM1,ly0,v0,〔症例4〕 小癌.10×8mm,0-IIc,T1a-MM,ly1,v1,〔症例5〕 小癌.6×3mm,0-IIc,SM2,ly0,v0,NBI発見の頸部食道癌,〔症例6〕 小癌.8×5mm,0-IIc,SM2,ly1,v0.126病変の病型は,0-IIa 11病変(9%),0-IIb 41病変(33%),0-IIc 72病変(57%),0-I 2病変(1%)であり,深達度はT1a-EP 105病変(83%),T1a-LPM 5病変(4%),T1a-MM 11病変(9%),SM1 1病変(1%),SM2 4病変(3%)であった.T1a-MM以深癌16病変の内訳は,微小癌のT1a-MM 1病変,SM1 1病変,小癌のT1a-MM 10病変,SM2 4病変で,その病型は14病変が0-IIc,2病変が0-Iであった.5mmを超える0-IIc病変の約20%は,T1a-MM以深に浸潤しており,深達度診断時は,陥凹周囲の盛り上がりや陥凹内の凹凸,発赤の強さに注目し評価することが必要である.

参考文献

1)Sano Y, Kobayashi M, Hamamoto Y, et al. New diagnostic method based on color imaging using narrow band imaging (NBI)system for gastrointestinal tract. Gastrointest Endosc 53 : AB125, 2001
2)Arima M, Tada M, Arima H. Evaluation of microvascular patterns of superficial esophageal cancers by magnifying endoscopy. Esophagus 2 : 191-197, 2005
3)大森泰,横山顕.危険なヨード不染帯所見─Pink Color signの検討.Gastroenterol Endosc 43(Suppl 2) : 1613, 2001
4)吉田操,門馬久美子,葉梨智子,他.発育進展からみた食道粘膜下層癌の病型分類の問題点.胃と腸 35 : 547-556, 2000
5)井上晴洋,細谷寿久,加賀まこと,他.食道m3・sm癌の最新の診断─内視鏡診断の立場から.胃と腸 41 : 1374-1384, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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