胃と腸46巻7号

2011年06月発行

今月の主題 腸管Behçet病と単純性潰瘍─診断と治療の進歩

序説

腸管Behçet病と単純性潰瘍―診断と治療の進歩

著者： 斉藤裕輔¹

所属機関： ¹市立旭川病院消化器病センター

ページ範囲：P.975 - P.978

文献概要

はじめに

　腸管Behçet病と単純性潰瘍に関連して，本誌ではこれまでに1979年（第14巻6，7号）に「回盲弁近傍潰瘍」，1992年（第27巻3号）に「腸型Behcet病・simple ulcerの経過」，2003年（第38巻2号）に「腸型Behçet病と単純性潰瘍の長期経過」の特集が組まれている．

　本稿では，腸管Behçet病と単純性潰瘍について，初学者にも理解しやすいよう，疾患概念，画像所見，これまでに解明されている事項，本号で述べられるであろう問題点，疑問点につき概説する．

参考文献

1）厚生労働省ベーチェット病研究班．ベーチェット病診断基準．2003

2）岩泉守哉，山田正美，伊能睦博．腸管Behçet病．消化管症候群（第2版）下．日本臨牀社，pp 580-583, 2009

3）武藤徹一郎．いわゆる“Simple Ulcer”とは．胃と腸 14 : 739-748, 1979

4）渡辺英伸，遠城寺宗知，八尾恒良．回盲弁近傍の単純性潰瘍の病理．胃と腸 14 : 749-767, 1979

5）堺勇二，蔵原晃一．Behçet病，単純性潰瘍．赤松泰治，斉藤裕輔，清水誠治（編）．炎症性腸疾患鑑別診断アトラス．南江堂，pp 121-126, 2010

6）八尾恒良．腸型Behçet病とSimple ulcer．胃と腸 27 : 273-275, 1992

7）多田正大，傍島淳子，清水誠治，他．腸型Behçet病とsimple ulcerの臨床経過─疾病史からみた腸型Behçet病とsimple ulcerの異同．胃と腸 27 : 313-318, 1992

8）飯田三雄，小林広幸，松本主之，他．腸型Behçet病および単純性潰瘍の経過─X線像の推移を中心として．胃と腸 27 : 287-302, 1992

9）松本主之，中村昌太郎，矢田親一朗，他．長期経過例からみた腸型Behçet病と単純性潰瘍の病態．胃と腸 38 : 159-172, 2003

10）大川清孝，青松和揆，青木哲哉，他．長期経過例からみた腸型Behçet病と単純性潰瘍の病態．胃と腸 38 : 150-158, 2003

11）高木靖寛，八尾恒良，松井敏幸，他．単純性潰瘍および腸型Behçet病のX線，内視鏡所見の検討─両者の病変分布，多発病変について．胃と腸 38 : 229-242, 2003

12）押谷伸英，川島大知，稲川誠，他．腸管ベーチェット病及び単純性潰瘍の臨床的検討．日本大腸肛門病会誌 53 : 116-122, 2000