icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻7号

2011年06月発行

今月の主題 腸管Behçet病と単純性潰瘍─診断と治療の進歩

主題

治療面からみた腸管Behçet病・単純性潰瘍の経過

著者: 松川正明1 林量司1 佐久間大1 吉田智彦1 鹿島恭子1 野村憲弘1 佐藤雅1 関川高志1 久保定徳1

所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院内科

ページ範囲:P.1044 - P.1050

文献概要

要旨 腸管Behçet病(BD)・単純性潰瘍(SU)の潰瘍に対して,経内視鏡的にメサラジン注腸液を10例に撒布した.深掘れで大きな典型的な潰瘍に対してはメサラジンの撒布を行わなかった.潰瘍の多くはメサラジン撒布により縮小した.しかし,潰瘍は再発することが多いため,経過をみて潰瘍が再発した場合にはメサラジン撒布を行った.メサラジンによる経口投与と局所的撒布によって,73%に潰瘍の縮小または潰瘍の深さが浅くなることを認めた.腸管の潰瘍は再発するので,定期的に内視鏡検査を行う必要がある.治療効果SUとBDの潰瘍に対してメサラジンの経口投与とともに,メサラジン注腸液を経内視鏡的に潰瘍に対して撒布することは試みる価値のある治療法と考える.

参考文献

1)松川正明,山田聡,荻原達雄,他.腸型Behçet病・simple ulcerの臨床経過.胃と腸 27 : 303-311, 1992
2)松川正明,和田正浩,小川英風,他.腸型Behçet病・単純性潰瘍.胃と腸 40 : 607-610, 2005
3)Marteau P, Probert CS, Lindgren S, et. al. Combined oral and enema treatment with Pentasa is superior to oral therapy alone in patients with extensive mild/moderate active ulcerative colitis : a randomised, double blind placebo controlled study. Gut 54 : 960-965, 2005
4)Ahnfelt-Rønne I, Nielsen OH, Christensen A, et al. Clinical evidence supporting the radical scavenger mechanism of 5-aminosalicylic acid. Gastroenterology 98 : 1162-1169, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら