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文献概要
今月の主題 食道の炎症性疾患 序説
食道の炎症性疾患
著者: 幕内博康1
所属機関: 1東海大学医学部外科
ページ範囲:P.1143 - P.1145
文献購入ページに移動はじめに
今回,“食道の炎症性疾患”が特集として取り上げられたことは画期的である.食道癌については,日常臨床で消化器科医の関心を集めており,癌との鑑別という意味でのみ“食道の炎症性疾患”が認識されていたのではないだろうか.改めて,“食道の炎症性疾患”についてその病理診断,X線診断,内視鏡診断,などの面から総合的に検討することは興味深く,消化器科医にとって有意義な特集と思われる.
さて,“食道の炎症性疾患”で最も頻度が高く,日常臨床上遭遇することが多いのは逆流性食道炎である.そのほかのものは極めて頻度が低いが,時に臨床医を悩ませるものであり,薬剤性食道炎や食道熱傷,腐食性食道炎,感染性食道炎(カンジダ,ヘルペス,サイトメガロウイルスなど),自己免疫性疾患に伴う食道炎(Crohn病,Behçet病,強皮症,天疱瘡など),アレルギー性食道炎(好酸球性食道炎),などが挙げられる.これら食道の炎症性疾患について,その大要がご理解いただければ幸いである.
今回,“食道の炎症性疾患”が特集として取り上げられたことは画期的である.食道癌については,日常臨床で消化器科医の関心を集めており,癌との鑑別という意味でのみ“食道の炎症性疾患”が認識されていたのではないだろうか.改めて,“食道の炎症性疾患”についてその病理診断,X線診断,内視鏡診断,などの面から総合的に検討することは興味深く,消化器科医にとって有意義な特集と思われる.
さて,“食道の炎症性疾患”で最も頻度が高く,日常臨床上遭遇することが多いのは逆流性食道炎である.そのほかのものは極めて頻度が低いが,時に臨床医を悩ませるものであり,薬剤性食道炎や食道熱傷,腐食性食道炎,感染性食道炎(カンジダ,ヘルペス,サイトメガロウイルスなど),自己免疫性疾患に伴う食道炎(Crohn病,Behçet病,強皮症,天疱瘡など),アレルギー性食道炎(好酸球性食道炎),などが挙げられる.これら食道の炎症性疾患について,その大要がご理解いただければ幸いである.
参考文献
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6)浜田勉,近藤健司,高添正和,他.Crohn病における食道病変.胃と腸 42 : 403-416, 2007
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