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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻8号

2011年07月発行

文献概要

今月の主題 食道の炎症性疾患 主題症例

好酸球性食道炎の1例

著者: 友松雄一郎1 芳野純治1 乾和郎1 若林貴夫1 小林隆1 三好広尚1 小坂俊仁1

所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科

ページ範囲:P.1264 - P.1267

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要旨 患者は51歳,男性.主訴は嚥下困難.検診の内視鏡検査で食道の異常所見を指摘され,当科へ紹介された.食道X線造影検査で食道壁の伸展は良好で,食道粘膜に縦走する線状の淡いバリウム斑を認めた.上部消化管内視鏡検査で食道は全体的に白濁肥厚した粗糙粘膜を呈し,血管透見は消失し,食道全体に数条の長軸に縦走する溝を認めた.食道壁の収縮により縦走溝は明瞭となり,通常の畳目模様より幅の広い輪状溝と敷石様変化を認めた.食道粘膜生検の病理組織検査は食道粘膜上皮に好酸球浸潤(>20/HPF)を認め,好酸球性食道炎と診断した.プロトンポンプ阻害薬は無効であったが,プレドニゾロンの投与により症状は消失し内視鏡所見も改善した.

参考文献

1)Landres RT, Kuster GG, Strum WB. Eosinophilic esophagitis in a patient with vigorous achalasia. Gastroenterology 74 : 1298-1301, 1978
2)Gonsalves N, Kahrilas PJ. Eosinophilic oesophagitis in adults. Neurogastroenterol Motil 21 : 1017-1026, 2009
3)木下芳一.厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 : 好酸球性食道炎/好酸球性胃腸炎の疾患概念確立と治療指針作成のための臨床研究,平成21年度総括・分担研究報告書,2010
4)Furuta K, Adachi K, Kowari K, et al. A Japanese case of eosinophilic esophagitis. J Gastroenterol 41 : 706-710, 2006
5)Stevoff C, Rao S, Parsons W, et al. EUS and histopathologic correlates in eosinophilic esophagitis. Gastrointest Endosc 54 : 373-377, 2001
6)木下芳一,石原俊治,天野祐二,他.好酸球性食道炎の診断と治療.Gastroenterol Endosc 53 : 3-15, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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