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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻8号

2011年07月発行

文献概要

症例

画像所見と組織所見を対比したEB-virus関連胃粘膜内癌の1例

著者: 中原慶太1 渡辺靖友1 松尾健1 向笠道太1 鶴田修2 佐田通夫1 秋葉純3

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 2久留米大学消化器病センター内視鏡診療部門 3久留米大学医学部病理学講座

ページ範囲:P.1268 - P.1275

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要旨 患者は50歳代,女性.胃X線・内視鏡像では,胃角部前壁に15mm大の境界不明瞭な不整粘膜領域が認められ,浅い陥凹と顆粒状粘膜で構成されていた.NBI拡大内視鏡像では,陥凹部に腺管模様の不明瞭化と不規則な走行を示す異常血管模様が認められた.一方,顆粒状粘膜部には小型で類円形の腺管模様と線状の血管模様を認め,陥凹部と組織構築が異なることが推測された.ESD後の組織所見との対比の結果,陥凹部は低分化型主体,顆粒状粘膜部は中分化型主体の粘膜内癌であった.免疫染色による粘液形質は無形質で,腫瘍部に一致してEBER-ISH陽性でEB-virus関連胃癌と最終診断された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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