文献詳細
文献概要
胃と腸 図譜
小腸IFP
著者: 松田圭二1 渡邉聡明1
所属機関: 1帝京大学外科
ページ範囲:P.1276 - P.1278
文献購入ページに移動1 概念,病態
IFP(inflammatory fibroid polyp)は消化管の粘膜下層に生じる良性の疾患である.組織像は,(1) 病巣が主に粘膜下層に存在,(2) 線維芽細胞や線維結合組織,血管の増生,(3) 好酸球を中心とした炎症細胞浸潤,(4) 小血管周囲の線維性結合組織の同心円状配列(onion skin pattern),などが特徴とされている1).成因は,反応性の炎症性ポリープ説が有力である.発生部位は胃,小腸,大腸の順に多くみられる2).小腸IFPは約70%が回腸末端から150cm以内に発生する3).大きさは3~4cmほどで,有茎ないし亜有茎を呈し,機械的刺激のため表面にびらん,潰瘍を形成し,陰茎亀頭様,ソフトクリーム様などと表現される.腸重積が80%にみられる.
IFP(inflammatory fibroid polyp)は消化管の粘膜下層に生じる良性の疾患である.組織像は,(1) 病巣が主に粘膜下層に存在,(2) 線維芽細胞や線維結合組織,血管の増生,(3) 好酸球を中心とした炎症細胞浸潤,(4) 小血管周囲の線維性結合組織の同心円状配列(onion skin pattern),などが特徴とされている1).成因は,反応性の炎症性ポリープ説が有力である.発生部位は胃,小腸,大腸の順に多くみられる2).小腸IFPは約70%が回腸末端から150cm以内に発生する3).大きさは3~4cmほどで,有茎ないし亜有茎を呈し,機械的刺激のため表面にびらん,潰瘍を形成し,陰茎亀頭様,ソフトクリーム様などと表現される.腸重積が80%にみられる.
参考文献
1)Helwig EB, Ranier A. Inflammatory fibroid polyps of the stomach. Surg Gynecol Obstet 96 : 335-367, 1953
2)Johnstone JM, Morson BC. Inflammatory fibroid polyp of the gastrointestinal tract. Histopathology 2 : 349-361, 1978
3)平井健次郎,財間正純,大江秀典,他.腸重積を契機に発見された小腸inflammatory fibroid polypの1例.外科 69 : 1231-1234, 2007
4)小林広幸,渕上忠彦,堺勇二,他.消化管炎症性類線維ポリープ(IFP)の診断と治療.胃と腸 39 : 640-646, 2004
5)河野弘志,鶴田修,杉山元,他.小腸腫瘍性疾患 その他の腫瘍および腫瘍様病変.胃と腸 43 : 575-580, 2008
掲載誌情報