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画像診断レクチャー
胃粘膜におけるNBI併用拡大内視鏡所見の成り立ちと診断体系(VS classification system)
著者: 八尾建史1
所属機関: 1福岡大学筑紫病院内視鏡部
ページ範囲:P.1279 - P.1285
文献購入ページに移動はじめに
狭帯域光観察(narrow band imaging ; NBI)を拡大内視鏡観察に併用すると,顕微鏡レベルの様々な解剖学的構造が視覚化できる.解剖学的に胃粘膜は腺窩などの凹凸を伴い,幽門腺領域と体部腺領域で正常像が異なるうえに,病変は慢性胃炎を背景とした粘膜に存在することが多く,単純ではない.
内視鏡医にとってNBI併用拡大内視鏡により視覚化された所見が,どの解剖学的構造に対応するかを理解していないと,胃粘膜の拡大内視鏡所見の解析は不可能である.筆者は,拡大内視鏡により視覚化される解剖学的構造を,微小血管構築像(microvascular pattern ; V)と表面微細構造(microsurface pattern ; S)に分けて解析し,一定の診断規準に照らし合わせて診断する診断体系 : VS classification systemを提唱している1).本稿では,その診断体系について概説する.
狭帯域光観察(narrow band imaging ; NBI)を拡大内視鏡観察に併用すると,顕微鏡レベルの様々な解剖学的構造が視覚化できる.解剖学的に胃粘膜は腺窩などの凹凸を伴い,幽門腺領域と体部腺領域で正常像が異なるうえに,病変は慢性胃炎を背景とした粘膜に存在することが多く,単純ではない.
内視鏡医にとってNBI併用拡大内視鏡により視覚化された所見が,どの解剖学的構造に対応するかを理解していないと,胃粘膜の拡大内視鏡所見の解析は不可能である.筆者は,拡大内視鏡により視覚化される解剖学的構造を,微小血管構築像(microvascular pattern ; V)と表面微細構造(microsurface pattern ; S)に分けて解析し,一定の診断規準に照らし合わせて診断する診断体系 : VS classification systemを提唱している1).本稿では,その診断体系について概説する.
参考文献
1)八尾建史.VS classification systemの提唱.八尾建史(編・著).胃拡大内視鏡.日本メディカルセンター,pp 89-90, 2009
2)Uedo N, Ishihara R, Iishi H, et al. A new method of diagnosing gastric intestinal metaplasia : narrow-band imaging with magnifying endoscopy. Endoscopy 38 : 819-824, 2006
3)Yao K, Iwashita A, Tanabe H, et al. White opaque substance within superficial elevated gastric neoplasia as visualized by magnification endoscopy with narrow-band imaging : a new optical sign for differentiating between adenoma and carcinoma. Gastrointest Endosc 68 : 574-580, 2008
4)八尾建史.NBI併用胃拡大内視鏡所見の成り立ち.八尾建史(編・著).胃拡大内視鏡.日本メディカルセンター,pp 75-87, 2009
5)Yao K, Anagnostopoulos GK, Ragunath K. Magnifying endoscopy for diagnosing and delineating early gastric cancer. Endoscopy 41 : 462-468, 2009
6)工藤恵子,為我井芳郎,中田高央.早期胃癌の拡大観察における微細表面構造と微小血管像の対比.Gastric Cancer第80回日本胃癌学会総会記事,p 212, 2008
7)竹内洋司,飯石浩康,上堂文也,他.胃癌組織型診断─VS classification systemに沿った形態所見分類(案).胃と腸 46 : 943-955, 2011
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