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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻9号

2011年08月発行

文献概要

今月の主題 若年者の胃・十二指腸病変の特徴 主題

H. pylori陽性消化性潰瘍―若年者と中高年者の相違

著者: 間部克裕1 加藤元嗣2 鈴木美櫻1 石垣沙織1 羽田政平1 高橋正和1 小野尚子2 清水勇一1 森康明3 中川学4 中川宗一4 工藤俊彦5 武田弘明6 大泉晴史7 浅香正博8

所属機関: 1北海道大学病院消化器内科 2北海道大学病院光学医療診療部 3森内科胃腸科医院 4中川胃腸科クリニック 5渓和会江別病院 6山形大学医学部附属病院光学医療診療部 7大泉胃腸科内科クリニック 8北海道大学がん予防内科

ページ範囲:P.1333 - P.1339

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要旨 H. pylori陽性消化性潰瘍患者における30歳未満の若年者と中高年者の違いについて,山形県における大規模臨床研究と北海道大学病院における内視鏡と組織学的検討の成績を用いて検討した.若年者の消化性潰瘍は中高年者と比較して,H. pylori陽性率が高く,NSAIDs起因性潰瘍など薬剤性潰瘍が少ない.若年者は前庭部優勢胃炎が多く,十二指腸球部に潰瘍発生が多い.一方,中高年では凡胃炎から体部優性胃炎が多く,潰瘍は胃角部から胃体部に発生する.除菌治療後の潰瘍再発率は高齢男性,深掘れ潰瘍,糖尿病などで有意に高く,これらの症例では除菌治療後も再発に注意が必要である.

参考文献

1)上村直美,小飯塚仁彦,吉田岳市.Helicobacter pyloriと胃癌─背景胃粘膜の立場から.胃と腸 42 : 937-945, 2007
2)加藤元嗣,小野尚子,間部克裕,他.NSAIDs潰瘍におけるH. pylori除菌の意義.日臨 69 : 1049-1056, 2011
3)Huang JQ, Sridhar S, Hunt RH. Role of Helicobacter pylori infection and non-steroidal anti-inflammatory drugs in peptic ulcer disease : a meta-analysis. Lancet 359 : 14-22, 2002
4)Mabe K, Takahashi M, Oizumi H, et al. Does Helicobacter pylori eradication therapy for peptic ulcer prevent gastric cancer ? World J Gastroenterol 15 : 4290-4297, 2009
5)加藤元嗣,清水勇一,山本純司,他.高齢者消化性潰瘍に対するHelicobacter pylori除菌療法の有用性.Helicobacter Research 6 : 431-435, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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