文献詳細
胃と腸 図譜
文献概要
1 概念,病態
食道乳頭腫は上皮性の食道良性腫瘍である.臨床的にしばしば遭遇し,病的な意義は薄く,一部の症例のみが報告されている程度である.食道乳頭腫のみではほとんどが無症状のため,内視鏡検査時に偶然発見されている.男女比は2 : 1で男性に多く,比較的中高年者に認められる1).好発部位は食道下部とされ,平均7mmと小さなものが多い.発見頻度は0.0722)~0.44%1)との報告がある.病因として,逆流性食道炎や裂孔ヘルニアに合併することが多いことから,酸逆流による慢性刺激が考えられている.また,1980年代になりHPV(human papilloma virus)の関与も報告されているが,現在では否定的とされる.
食道乳頭腫は上皮性の食道良性腫瘍である.臨床的にしばしば遭遇し,病的な意義は薄く,一部の症例のみが報告されている程度である.食道乳頭腫のみではほとんどが無症状のため,内視鏡検査時に偶然発見されている.男女比は2 : 1で男性に多く,比較的中高年者に認められる1).好発部位は食道下部とされ,平均7mmと小さなものが多い.発見頻度は0.0722)~0.44%1)との報告がある.病因として,逆流性食道炎や裂孔ヘルニアに合併することが多いことから,酸逆流による慢性刺激が考えられている.また,1980年代になりHPV(human papilloma virus)の関与も報告されているが,現在では否定的とされる.
参考文献
1)五味博子,田中輝行,近藤愼太郎,他.食道─食道乳頭腫.日臨(別冊)消化管症候群,2版,上─その他の消化管疾患を含めて,日本臨牀社,pp 119-121,2009
2)Kawaura Y. Squamous cell papilloma of the esophagus : report of 17 cases and review of the literature. Esophagus 2 : 161-164, 2005
掲載誌情報