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文献詳細

雑誌文献

胃と腸46巻9号

2011年08月発行

胃と腸 図譜

食道乳頭腫

著者: 小澤俊文1 和知栄子2

所属機関: 1慈山会医学研究所附属坪井病院消化器科 2慈山会医学研究所附属坪井病院病理科

ページ範囲:P.1418 - P.1420

文献概要

1 概念,病態

 食道乳頭腫は上皮性の食道良性腫瘍である.臨床的にしばしば遭遇し,病的な意義は薄く,一部の症例のみが報告されている程度である.食道乳頭腫のみではほとんどが無症状のため,内視鏡検査時に偶然発見されている.男女比は2 : 1で男性に多く,比較的中高年者に認められる1).好発部位は食道下部とされ,平均7mmと小さなものが多い.発見頻度は0.0722)~0.44%1)との報告がある.病因として,逆流性食道炎や裂孔ヘルニアに合併することが多いことから,酸逆流による慢性刺激が考えられている.また,1980年代になりHPV(human papilloma virus)の関与も報告されているが,現在では否定的とされる.

参考文献

1)五味博子,田中輝行,近藤愼太郎,他.食道─食道乳頭腫.日臨(別冊)消化管症候群,2版,上─その他の消化管疾患を含めて,日本臨牀社,pp 119-121,2009
2)Kawaura Y. Squamous cell papilloma of the esophagus : report of 17 cases and review of the literature. Esophagus 2 : 161-164, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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