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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻1号

2012年01月発行

文献概要

胃と腸 図譜

EBV関連胃癌(lymphoid stroma)

著者: 細川治1 海崎泰治2 宮永太門3

所属機関: 1横浜栄共済病院外科 2福井県立病院病理 3福井県立病院外科

ページ範囲:P.130 - P.132

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1概念,病態

 癌とその周囲へのリンパ球浸潤が高度である胃癌を指し,「胃癌取扱い規約第14版」で特殊型に亜分類された.胃癌全体の1~4%の頻度と報告され,リンパ球浸潤は粘膜下層を中心に髄様増殖を来すため粘膜内癌例はない1).“癌細胞数より浸潤リンパ球数のほうが多い”との組織学的定義が推奨される2).in situ hybridizationでEBV(Epstein-Barr virus)感染が認められることが多く,その頻度は70~90%と報告され,陽性の場合はほぼすべての癌細胞核にEBVが検出されることから,前癌期ないしは発癌初期に感染したと推論される3).リンパ球浸潤の免疫学的意義やvirus感染の発癌へのかかわりは解明されておらず,EBV陰性例に関してはさらに不明な点が多い.男性に多く,腫瘍は近位胃に局在することが大半である

参考文献

1)宮永太門,海崎泰治,細川治,他.特殊型胃癌の臨床的特徴─胃癌取扱い規約第14版をうけて.胃と腸 45 : 1882-1893, 2010
2)海崎泰治,細川治,宮永太門,他.リンパ球浸潤胃癌─病理の立場から.胃と腸 45 : 1916-1925, 2010
3)牛久哲男,篠崎綾,深山正久.特殊な成り立ちの早期胃癌─Epstein-Barr virus関連胃癌.胃と腸 44 : 723-729, 2009
4)神崎洋光,飯石浩康,長井健悟,他.リンパ球浸潤胃癌─臨床の立場から.胃と腸 45 : 1926-1934, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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