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今月の主題 改訂された胃生検Group分類の現状 主題
新しい胃生検Group分類の運用
著者: 八尾隆史1
所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学
ページ範囲:P.159 - P.164
文献購入ページに移動要旨 胃生検組織診断分類は「胃癌取扱い規約第14版」において大幅な改訂がなされた.改訂されたGroup分類(新G分類)は,従来の異型度分類から質的分類を重視したものであり,臨床的にわかりやすく有用な分類となったと思われる.新G分類ではGroup 1と5は旧分類と同様であるが,Group 2には腫瘍と非腫瘍の鑑別が困難なもの,Group 3は腺腫に限定,Group 4は腫瘍かつ癌を疑うものとされたところが,旧分類との違いである.特に,Group 2に再生異型から癌まで幅広い病変が含まれため,新G分類を適正かつ有効に活用するためには,各Groupに含まれる病変とその臨床的意義を十分理解し,病変の本質を誤解されないように運用面での十分な注意や配慮が必要である.
参考文献
1)胃癌研究会(編).胃癌取扱い規約,第14版.金原出版,2010
2)胃癌研究会(編).胃癌取扱い規約,第13版.金原出版,1999
3)Schlemper RJ, Riddell RH, Kato Y, et al. The Vienna classification of gastrointestinal epithelial neoplasia. Gut 47 : 251-255, 2000
4)九嶋亮治,味岡洋一,石黒信吾,他.「胃癌取扱い規約第14版」における改訂の要点─特に病理診断とのかかわりについて.胃と腸 45 : 1244-1250, 2010
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