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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻2号

2012年02月発行

文献概要

今月の主題 改訂された胃生検Group分類の現状 主題

内視鏡的経過観察症例からみた新旧分類におけるGroup II・Group 2病変の問題点

著者: 鼻岡昇1 飯石浩康1 上堂文也1 石原立1 東野晃治1 竹内洋司1 長井健悟1 松井芙美1 山階武1 太田高志1 神崎洋光1 花房正雄1 竜田正晴1 冨田裕彦2

所属機関: 1大阪府立成人病センター消化管内科 2大阪府立成人病センター病理細胞診断科

ページ範囲:P.165 - P.172

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要旨 上部消化管内視鏡検査の生検でGroup IIまたはGroup 2と診断された病変を,「胃癌取扱い規約」改訂前に診断された病変(Group II)と改訂後に診断された病変(Group 2)に分類し,それらの内視鏡的特徴およびそれぞれどのような経過をたどったのかを比較検討した.規約改訂前にGroup IIと診断された病変は潰瘍性病変の占める割合が高く,再生異型と診断されるものが多かった.これに対しGroup 2と診断された病変では,潰瘍性病変が少なく組織学的にも再生異型が少なかった.規約改訂前にGroup IIと診断された病変の13.7%,規約改訂後にGroup 2と診断された病変の54.8%が再検査後にGroup VまたはGroup 5と診断されていた.これまでの規約と異なり,現行の規約ではGroup 2と診断された病変は腫瘍である頻度が高いため,初回病理のコメントを十分考慮し再検査を行う必要がある.

参考文献

1)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,13版.金原出版,1999
2)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,14版.金原出版,2010
3)Ezoe Y, Muto M, Uedo N, et al. Magnifying narrow band imaging is more accurate than conventional white-light imaging in diagnosis of gastric mucosal cancer. Gastroenterology 141 : 2017-2025, e3, 2011
4)Iishi H, Tatsuta M, Okuda S, et al. Endoscopic diagnosis of minute gastric cancer of less than 5mm in diameter. Cancer 56 : 655-659, 1985
5)Yao K, Anagnostopoulos GK, Ragunath K. Magnifying endoscopy for diagnosing anddelineating early gastric cancer. Endoscopy 41 : 462-467, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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